御宿かわせみ27横浜慕情

麻生宗太郎・花世親子、畝源太郎、長助、お吉とともに、外国船で賑う横浜見物に繰り出す東吾。
途中、子安村近くの浦島寺に詣でてみれば、事件に巻き込まれ(「浦島の妙薬」)、横浜に着けば、美人局(つつもたせ)に身ぐるみはがされて、首をくくろうとした英国人船員のために、一肌脱ぐ羽目に。
お馴染みの江戸情緒に、横浜の異国情緒が花を添えた表題作ほか、子供の頃別れた母と娘の切ない行き違いを描いた「鬼ごっこ」、「烏頭坂今昔」「鬼女の息子」など全8篇収録。
江戸の牡丹作りの人々がこぞって出品する富岡八幡宮恒例の牡丹市。
1位に選ばれると千代田城大奥の御台所へ献上されるとあって、かなりな競争になっている。
そこで1位となった「白貴人」は自分が作った花だと、男がケチをつけてきた。
果して花はすり替えられたのか? 表題作ほか、腹違いの幼い兄弟の、互いを思いやる心がいじらしい「三日月紋の印籠」「江戸の蚊帳売り」など全8篇を収録。
水仙、梅、椿に萩と江戸の花々を背景に、「かわせみ」は今日も大繁盛!街で人を殺し、身を隠すため、自分が育った古巣の修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。
その修道院でもなお、修道女を犯し、神父に性の奉仕をし、暴力の衝動に身を任せて教護院の少年たちや動物に鉄拳をふるい、冒涜の限りを尽くす。
あらゆる汚辱を身にまとう──もしや、それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのだろうか? 世紀末の虚無の中、〈神の子〉は暴走する。
目指すは、僕の王国! 第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作にして、「王国記」シリーズ第一作。
平安京にうごめく魑魅魍魎(ちみもうりょう)に、陰陽師・安倍晴明と親友の源博雅が立ち向かう、お馴染み「陰陽師」シリーズ第4弾。
「晴明、道満と覆物(おおいもの)の中身を占うこと」では、晴明とライバルの蘆屋道満が、宮中で方術比べをすることに。
実力伯仲のふたり、勝負の顛末は? 愛人ができた夫に離縁され、恨み死にした女。
しかし死後40日たっても、その死体は腐ることはなく──女の悲しき情を描いた「青鬼の背に乗りたる男の譚(はなし)」他5篇収録。
宝塚の娘役である千花のカレは、歌舞伎界の御曹司。
親友でライターの萌は歳の離れた評論家と恋愛中。
花のように若く美しいヒロイン達をとりまく、ふわふわとした幸福な日々。
「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」と千花は思う。
だが、2人の人生は、現実の退屈さや裏切り、思わぬ挫折によって、ゆっくりと甘やかに、翳りを帯びていく。
悩みなどなさそうに見えて実はけっこうほろ苦い青春を描いた傑作恋愛長篇は、まさに平成版『細雪』!続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60018353